フローリング
施工ガイド
オイル仕上げフローリングの取扱に関する注意事項
○表面に水分が付いた場合は速やかに拭き取って下さい。水跡が残ったり、白濁したりする
恐れがあります。
○ホワイトオイル仕上げや色が薄い樹種は、暗い環境やラグ、マットを上から被せて長時間
放置した場合に暗所黄変(表面が黄色く変色する現象の事)が発生する可能性があります。
症状が出た場合、明るい環境に長時間放置すれば元に戻る可能性があります。
○石膏ボードなどの細かな粉や埃が木目に入る事があります。エアーで吹き飛ばしてもダメな
場合は、硬めの歯ブラシで掻き出してオイルを再塗装してください。
○水を使ったクリーニングや水性ワックスの使用は避けてください。表面の毛羽立ちや白濁を
引き起こす原因になります。
浸透性オイル仕上げフローリング施工時のトラブル解決法
■これだけは欠かせない施工時のポイント
●以上の点に注意することで、トラブルの大部分を
未然に回避することができます。
しかし、万一トラブルが発生した際の対処法を
ケースごとにご紹介していきます。
浸透性オイル(オスモオイルに代表される自然
オイル)による塗装は、材表面に塗膜を張るウ
レタン塗装やUV塗装と異なり、施工時に特に
注意していただきたいのが、「養生方法」です。
右の3つの点にご注意下さい。
1.必ず養生シート(ボード)をきっちりと
全面に被せること。
2.フローリングに直接、養生テープを
貼らないこと。
3.水分を持ち込まないこと
(水性のワックスもNGです)
■こんなときどうする?
ケース1:日焼けで色の差が生じてしまった場合
現場で発生する様々な埃の付着を避けるために必ず養生シートをお使い下さい。
特にオイル塗装の場合、ウレタン塗装やUV塗装に比べ慎重に養生する必要があります。
オイル塗装はウレタン塗装やUV塗装と異なり、塗装したオイルが空気中の酸素と反応し硬化が進んでいくという特徴があります。
その為、フローリング全体を隙間なく養生シートで覆っていれば問題ありませんが、シートで覆わなかった箇所があると、その箇所だけ反応が進み、他の箇所との色差が付いてしまう場合があります。このような状態にならないよう、養生シートをフローリング全体にきっちりと覆い被せることが重要です。
それでも色差が発生した場合は、色の境目の100mmから200mmのところをサンディングし、同じオイルで再塗装することで色差が目立たなくなります。
ケース2:養生テープをフローリングに直接貼ってしまった場合
養生シートを留める際に、養生テープを直接フローリングに貼ってしまうとテープの粘着部分がフローリングに付着してしまうことがあります。特に夏場など気温が高い環境や古いテープの場合、粘着部分の糊が溶けて、木目の中に入り込んでしまうことがあります。
こうしたトラブルが発生した場合、その部分をサンディング(#180程度)で取り除き、再塗装することで修復することが出来ます。
養生シートを壁面にしっかり付け、その上にダンボール箱を折り返し、壁面と養生シートを密着させて重なるように敷き詰め、養生テープで固定する事で、こうしたトラブルを回避でき、また隙間から石膏ボードの粉や埃が入り込むことを防ぐことが出来ます。
ケース3:石膏ボードの粉や埃が付着してしまった場合
石膏ボードの細かな粉や埃はフローリングの大敵です。特に木目がはっきりしているアッシュやオーク、また色の濃いブラウンオイルやウォールナット、チーク、などは木目に粉が入りやすく、入ると目立つので十分な注意が必要です。
その為養生シートで保護するのですが、もしも木目に入ってしまった場合、深く入り込んでいなければ、エアーで吹き飛ばすことが出来ます。
エアーを使ってもダメな場合は、硬めの歯ブラシで粉や埃を掻きだし、その後オイルで再塗装してください。それでも取れない場合は、粉や埃をサンディングで削り取り、再塗装することで補修して下さい。
ケース4:表面の毛羽立ちや白濁が生じた場合
施工後の水を使ったクリーニング作業や水性ワックスの使用は避けて下さい。フローリング表面のオイルが取れてしまい、表面の毛羽立ちや白濁の原因となります。
回避方法ですが、まずはクリーニング担当者に必ずオイル塗装の商品の為、水拭き厳禁とお伝え下さい。
引き渡し前のクリーニングについて、養生を剥がした後それほど汚れが気にならない場合は、表面の埃などを取り除いた後、オスモ社製メンテナンス商品「ワックス&クリーナー」 をお使い下さい。
もしも毛羽立ってしまった場合は、ストッキングにウエスを詰め込んだもので擦ると取り除くことが出来ます。ストッキングの微小な網目は毛羽立ちを取り去るのに適しています。
また、台所用のスポンジでも同様の効果が期待出来ます。特に毛羽立ちが発生しやすい樹種はアッシュ、オーク、ウォールナットなどですのでご注意下さい。
尚、白濁はその部分をワックス&クリーナーやエタノールで拭き取ると取れる場合もありますが、それでも取れない場合は、サンディングを掛け、その後再塗装して下さい。
ケース5:水跡が生じた場合
水にぬれた場合は、すぐに拭き取り、乾いた布で充分水気を取り除いてください。もしも水跡が残った場合は、軽い症状であれば、「ワックス&クリーナー」をお使いください。
もう少しひどい症状であれば、ラッカーシンナーで部分的に拭き取り、その後、
「ワックス&クリーナー」または「フロア・クリア・マット」を塗り込んでください。
それでも取れない場合は、サンディングを掛け、その後再塗装してください。