無垢・挽板複合パネリング(壁・天井板)の施工ガイド

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パネリング施工前に

①現場環境について

 

右記のような環境では、室内の湿度が著しく上昇し、パネリングの膨張による不具合が起こる可能性が高くなります。

施工の際には十分な対策を行ってください。状況に不安が残る場合は無垢パネリングの使用を再検討ください。

 

 

 

○沼地や田んぼに囲まれた場所などの湿度の高い土壌地域。

○海岸・河川沿岸部。

○埋め立てを行った土地や地下水(湧き水)の豊富な場所。

②下地の確認

 

下地に使用する間柱・胴縁・野縁・捨て貼り合板などはすべて

乾燥材を使用ください。

下地の間隔は455㎜以内にしてください。(右図参照)

また、縦貼り・横貼りによって下地の設け方(縦胴縁・横胴縁)が

変わりますので、ご注意ください。

 

1.木下地の場合(胴縁・野縁などの上に直接施工する場合)

・施工面のレベル出しを行ってください。

・パネリングの継ぎ目は必ず胴縁(野縁)の幅内で行えるように割り付けてください。

 

2.ボード(石こうボード・合板)納めの場合

・ボードの継ぎ目は胴縁(野縁)の幅内で行い、必ずビスで固定してください。

・胴縁(野縁)の位置をボードに墨付けしておき、パネリングを貼る時に確実に向かって釘打ちが出来るようにしておいてください。

・ボードの継ぎ目とパネリングの継ぎ目は重ならないように割り付けてください。

 

③材料を馴染ませる

 

無垢・挽板複合パネリングは湿度により伸縮します。現場の湿度に馴染ませるために、箱から開梱してパネリングを

出来るだけ広げ、1週間養生後に施工を行うのが理想的です。

しかし、現場の条件(場所・工期など)によっては不可能な場合も多く、養生せずに貼り込み、不具合を

起こすケースもあります。

最低2.3日前には現場への納材を完了させ、どんなに遅くても前日に箱から開梱しその場の湿度に馴染ませてください。

 

2

 

パネリングの施工(貼り込み)

【注意】

無塗装品やオイル仕上げの製品は、手袋を着けるなど、直接製品の化粧面に素手が当たらないようにして下さい。

手アカなどがつく恐れがあります

 

①仮並べ

 

無垢材は色調や木目が均一ではないので、仮並べを行ってください。

他の部分と際立って調和しないピースを目立たない場所へ貼るなどの配慮は、

仕上がりのイメージを向上させ、同時に端材の有効活用にもつながります。

②釘

 

 必ず釘と接着剤を併用ください。(糊釘併用)

 

○釘は、30㎜以上のフィニッシュネイル(コンプレッサー型の機種による)が良いでしょう。

 釘頭が貫通しないよう圧力調整を行ってください。

○必ず下地(胴縁・野縁)の位置を確認し、確実に下地に釘が入るよう打ってください。

○パネリングの形状により釘の打つ場所が変わります。下図を参考にしてください。

 ※相ジャクリの商品は正面から釘打ち(脳天打ち)とまります。可能であれば「仮釘」(釘頭部分が取れるもの)を

  使用すると釘穴が目立たなく施工することが出来ます。

③接着剤

 

○水性接着剤は木が膨張する危険がありますので、接着剤は水性以外のものをご使用ください。

 コニシボンド MPX-1 等

○幅に対して真ん中とその両端の3列筋状に塗布してください。

 この時、両端の2列は少なめにするのが良いでしょう。

 

 サネには絶対に接着剤が入らない様にしてください。

 

所々に大きな隙間が出来る原因となります。もしサネに付着した場合は必ずきれいに拭き取ってから貼ってください。

 

 

 

④納まり

 

◯パネリングは膨張を考慮し、巾木や廻り縁で隠れる範囲内で 5 ㎜以上の隙間をあけてください。

◯枠材との納めも必ず隙間をとり、コーキング処理をしてください。

◯サッシや浴室サッシとの結合部は結露による水漏れの可能性が高いため、木端・木口に塗料を塗り、

 しっかり防水処理をしてください。

⑤貼り込み

 

◯サネは強く叩き込まず、軽く押し当てる程度にしてください。

◯商品間にスペーサーを入れてください。

3

養 生

◯きれいに掃除し、細かいチリを完全に取り除いてください。

◯表面保護のため入居直前まで養生シートで覆ってしまうのがベストですが、

 通常現場では、そこまでの事が出来ない場合が多いので、覆ってしまわないでも

 結構ですが、日焼けによる変色にはご配慮ください。

◯清掃時に水を使い水滴が付着したまま放置しますと、シミ・跡形の原因となります。

 近辺で水を使用する場合は十分に注意してください。

 

 

4

お引渡し前に

無垢・挽板複合パネリングは樹種、仕上げにかかわらず、

 

 絶対に水拭きはしないでください。

 

シミ・跡形・羽毛立ちにもなりますし、膨張の可能性もありますので、絶対にお止めください。

 

 

乾いた雑巾で軽く拭く程度にしてください。

※軒天井に施工する場合は材料の伸縮の恐れがある為
必ずすき間をあけて施工ください。